Department of Administration Engineering Faculty of Science and Technology ,Keio University

Human Factor Design ,Nakanishi Laboratory

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  • About us

    ヒトの掌の大きさは概ね17~19センチ程度、ヒトの短期記憶の容量は概ね7±2と言われており、個人によるばらつきはあるものの、このような「人間特性」は、私たちが日常的に用いる工業製品や情報デザインに広く活かされています。「人間特性」は、身体や認知と同様、心理にもあります。例えば、強い時間的切迫があるとき、私たちは皆、焦りの中で忘れ物をしやすくなるという良くない特性を持っている一方、信念に基づいて自発的な動機づけのもとで何らかの活動を行っているとき、その生産性は非常に高くなるという良い特性も持っています。

    人間工学/ヒューマンファクターズは、このような身体・認知・心理における「人間特性」を深く理解し、その知見に基づいてモノ・コトをデザインし、さらにそのデザインの効果を評価・検証することで、社会に貢献することを使命とした学問領域です。
    当研究室では、「全てのデザインの原点に人間特性を」というphilosophyのもとで、暮らしの中の製品・サービスから、暮らしを支える大規模システムの管理方法まで、あらゆる対象のデザインを、人間工学/ヒューマンファクターズの視点、方法論で最適化する研究を展開しています。

    当研究室の研究テーマは、大きく二つのキーワードでとらえることができます。
    一つは、UX(User Experience:体験価値)です。
    従来の製品・サービスのデザインにおける主眼は、「使いやすさ」に向けられていました。一方、社会全体が成熟し、製品・サービスを「使いやすさ」で差別化することが難しくなりつつある今日、効率性や簡便さに留まらず、達成感や愛着、心理的適応といった、より多様な体験価値の実現が求められています。製品・サービスを構成する膨大なデザイン要素が、それらと接する人間との間にどのようなインタラクションを実現するのか、またそのインタラクションがどのような心理状態へと人間を導くのか、この構造を解明し、定量的なモデルを与えることによって、製品・サービスのデザイン企画及び評価の手法を確立し、実用化することを目指しています。

    もう一つは、安全管理(Safety Management)です。
    産業革命以降、技術システムの高度化・複雑化が進む中、働く人の位置づけ、役割も大きく変容してきました。運輸、医療、プラント、金融…、人間と技術が共に介在するあらゆるシステムにおいて、人間要素を機械コンポーネントのように捉えて安全を達成することなどできないということは、歴史に見る数々のヒューマンファクター事故が物語っています。かつてない安全な時代と言われる今、人がどう動機づけられ、どう適応し、どうふるまうことが、安全を基盤としたよりよいサービスに繋がるのかをモデル化するとともに、変化する状況の中でそのモデルが破綻するのはどのような条件であるのかを探索し、これらの知見を、現場と組織の統合的な安全管理に還元することを目指しています。

    モノ・コト、全てのデザインの原点に人間特性を置くことは、最も合理的で普遍的で、そして私たち人間にとって最も“心強い”方法論であると考えています。

    慶應義塾大学理工学部管理工学科 准教授 中西美和

    経歴はこちらから






    中西美和 Nakanishi Miwa

    慶應義塾大学 理工学部管理工学科 准教授

    略歴
    2000年3月 慶應義塾大学理工学部管理工学科 卒業
    2004年9月 慶應義塾大学大学院理工学研究科開放環境科学専攻後期博士課程 修了
    2004年10月~2005年3月 慶應義塾大学理工学部管理工学科准訪問研究員
    2005年4月~2008年3月 東京理科大学第一部工学部経営工学科助手(2007年4月より助教に職名変更)
    2008年4月~2010年3月 千葉大学大学院工学研究科デザイン科学専攻講師
    2010年4月~2014年3月 慶應義塾大学理工学部管理工学科専任講師
    2014年4月~ 現職

    主な学協会活動
    日本プラント・ヒューマンファクター学会会員(2002年~)
    日本プラント・ヒューマンファクター学会編集幹事(2006年8月~)
    日本プラント・ヒューマンファクター学会評議員(2008年8月~2012年7月)
    日本プラント・ヒューマンファクター学会2008年度大会運営委員(2008年9月)
    日本プラント・ヒューマンファクター学会2008年度大会運営委員(2010年9月)
    日本プラント・ヒューマンファクター学会編集委員(2008年8月~2014年7月)
    日本プラント・ヒューマンファクター学会監事(2012年8月~)
    日本人間工学会会員(2002年~)
    日本人間工学会評議委員(2007年4月~)
    日本人間工学会関東支部会支部委員(2010年7月~)
    日本人間工学会編集委員(2010年7月~2014年6月)
    日本人間工学会安全人間工学研究委員会委員(2010年4月~)
    日本人間工学会国際協力委員会委員(2010年4月~)
    日本人間工学会触覚インタラクション研究部会幹事(2012年4月~)
    日本人間工学会第54回大会実行委員(2012年9月~2013年6月)
    安全工学会会員(2004年~)
    安全工学シンポジウム2009企画・運営委員(2009年7月)
    ヒューマンインタフェース学会会員(2005年~)
    産業保健人間工学会会員(2008年~)
    PPCOE(Pan-Pacific Council on Ergonomics) Executive Council Member (2008年4月~2014年3月)
    日本生理人類学会会員(2008年4月~)
    日本生理人類学会総務幹事(2008年4月~2010年3月)

    主な外部委員・講師
    運輸安全委員会
    国土交通省航空局
    国土交通省鉄道局
    文部科学省研究開発局
    JAXA
    NEXCO中日本

  • Thesis

    現在の研究内容一覧

     IoT家電を用いたヘルスケアのためのレコメンデーションシステムの開発

     設計者の「思い」をユーザに伝えるためのデザイン戦略の構築

     人の内発的動機づけに着目した覚醒維持手法の提案・検証

     焦点深度を有効活用した電子ミラーのデザイン要件の研究

     身体所有感とFlowの関係の解明とそれらを利用したコクピットデザインの研究

     Safety-2をSafety-Criticalな産業に導入するためのレジリエンス要件に関する研究

     Safety-2に基づいた「うまくいく」事例の分析手法の開発

     フライトシミュレータを用いた航空機操縦時のヒューマンファクター評価

    卒論修論題目一覧

    2018

    2017

    2016

    2015

    2014

    2013

    2012

    2011

    共同・委託研究先

    2018

    2017

    2016

    2015

    2014

    2013

    2012

    2010

    行動・認知・心理データに基づく暮らしの中のリコメンデーション手法の開発及び検証

     

    個人の行動データに基づくマーケティングやリコメンデーションが盛んに利用される時代を迎え、私たちの暮らしをより快適にまた楽しくするサービスへの有効活用が模索されています。UXデザインは、ユーザ(潜在的なユーザも含めて)の期待を忠実に推定し叶えること満たすことが全てではない、ユーザの期待を超えて、ユーザの様々な可能性やチャンスを拡大することこそ、UXデザインのチャレンジすべき課題です。そのために、どのようなデータを獲得し、どう分析してどう可視化するか、人間特性を研究対象とする人間工学の視点からアプローチし、実サービスへと展開する試みを、企業と協働して行っています。

    人の自発的なモチベーションに関する心理学理論の工学応用

     

    人が真に何かをしたいと自発的に感じて臨んだとき、高い集中力と楽しさ、ひいては高いパフォーマンスを発揮することは、誰もが一度は経験したことがあるでしょう。このような自発的なモチベーションの効用は他にも多々あることが、心理学領域で報告されています。本研究では、これらのモチベーション(動機づけ)に関する心理学理論を工学応用すべく、個人の能力に応じてモチベーションを最大化する目標レベルの設定や、人がモノやサービスを利用したいという意欲の誘発、また、作業効率や知的生産性との関係について、実験的に研究しています。

    システムの自動化によって得るUX・失うUX

     

    自動車に代表される私たちの身近なシステムの自動化が、今日、次々と現実の技術となりつつあります。自動化は、人とシステムとのインタラクションの形態を大きく変えるため、その中で得られる体験の質も大きく変化することが想定されます。例えば、自動化したシステムは、私たちを疲労や思わぬエラーから解放する一方、操作・操縦する際に本来伴うはずの楽しさや達成感、またシステムに対する愛着などを希薄にするかもしれません。システムの自動化が、私たちにどのような新しい体験をもたらすのか、またどのような体験を取り去るのかを、様々なシチュエーションを想定したシミュレータ実験を通して検討しています。

    ユーザ・エクスペリエンスの観点から見たデザインプロセスモデルの開発と適用

     

    ユーザがプロダクトやサービスと接する際に得る様々な体験は、本来、ユーザ本人しか味わえないものであり、これを予測的に評価することは極めて困難であると言えます。一方で、ユーザに本質的な満足をもたらすプロダクト・サービスの実現は、ものづくりの目指すところであり、心理学やマーケティング分野での議論を超えた、体系的な工学的アプローチが求められています。本研究では、人とプロダクト・サービスとのインタラクションに、本質的に価値ある体験をもたらすことをねらいとして、ユーザ・エクスペリエンスの観点を織り込んだデザインプロセスの確立に、企業と協働で挑んでいます。

    人及び組織のレジリエンス特性の解明とそれに基づく訓練・研修方法の提案

     

    絶えず変動する状況の中で、人は機械にはないすばらしい柔軟さを発揮し、危機を回避したり困難な目標を達成したりすることができます。一方で、このような人の柔軟さが、望まれる標準からの逸脱に繋がり、思わぬトラブルに陥ることもあります。状況を制御する上で欠くことができない人の柔軟さを、失敗ではなく成功に導く条件を明らかにすること、すなわち、人のレジリエンス特性の要件を明らかにすることで、人を活かした安全管理の実現に貢献したいと考えています。

    人と住まいとのインタラクションを最適化するインタフェースのデザイン

     

    環境保護、また防災・減災へのトレンドが高まる今日、ITを活用して家電等の設備機器を最適制御するスマートハウスの実用化に大きな期待が寄せられています。言うまでもなく住まいは人の生活の基盤であり、スマートハウスの普及によって私たちの暮らしの形が大きく変わる可能性が見込まれます。スマートハウスの監視と制御は、タブレット端末等を用いたコントロールパネルで行われることが想定されており、これが人と住まいとのコミュニケーションを担うインタフェースとなります。本研究では、スマートハウスのコントロールパネルのGUIデザインについて、住まう人の世代や世帯構成はもちろんのこと、生活に求める価値観に応じた理想型を、メーカと協働して検討しています。

    ヒトの空間認知特性の機序の解明とそれを支援する視界のデザイン

     

    私たちは、人や障害物を避けるとき、物を掴むとき、球を打つとき、など、あらゆる日常の動作において、空間認知を行っています。しかしながら、ヒトが空間認知をどのように行っているのか、そのメカニズムについては未だ多くの点で明らかになってはいません。自動車を運転するとき、航空機を操縦するとき、またドローンを操作するときなど、空間認知の精度がタスクのパフォーマンスに大きく寄与するシーンは多々あります。本研究では、ヒトをはじめとする霊長類が、主に視覚情報によって外界の空間構造を理解していることに基づき、直接視界のみならず鏡やカメラなどを介した間接視界も含めて、視覚情報と空間認知特性との関係を明らかにするとともに、それを支援する視界のデザインについて検討しています。

    フライトシミュレータを用いた航空機操縦時の人間特性の研究

     

    ヒューマンファクターズは、第二次世界大戦時、米国の戦闘機の計器デザインとヒューマンエラーの関係に関する研究から発展したことが知られており、過去そして現在でも、Aviationにおける人間特性の研究は、ヒューマンファクター領域に極めて多くの示唆を与え続けています。様々な状況、様々な機体を模擬体験できるフライトシミュレータを用いて、操縦時の行動、認知、心理の特性を計測、評価し、人間が望ましくない結果をもたらしてしまうプロセス、また望ましくない結果をうまく回避し成功に至るプロセスを実験的に追究しています。

    ユーザ・エクスペリエンスに伴うポジティブ感情を検出する生理指標の探索

     

    私たちは、時に、言葉にできない感動や心地よさに遭遇したり、無意識のうちに深い安心に包まれていたりすることがあります。ユーザが積極的に表出できない感情を客観的に検出する指標を確立し、プロダクトやサービスのデザイン評価に導入することができれば、このような体験を実現するプロダクトやサービスの創出に繋がると考えます。本研究では、従来のデザインプロセスでは埋没していた、しかし実は極めて鮮鋭な心的効果を持つ優れたデザイン案を、ユーザのもとに確かに送り出すために、特定のポジティブ感情に対する生理的反応の探索を行っています。

  • activity

    2019.6.15-16 日本人間工学会第60回大会@日本大学理工学部駿河台キャンパス(東京)

    以下2名が発表予定です。
    九保直樹
     アウトカムの最適化をねらいとしたSafety-1/2両モードの切替に関する研究:火災発生時の消火活動を想定したシミュレーション実験を通して
    大澤歩夢
     Worker Experienceの分析:働く人の良い体験に関する基礎研究

    2019.5.22-24 自動車技術会2019年春季大会@パシフィコ横浜(神奈川)

    以下3名が発表予定です。
    寺西克裕
     主観視点及び客観視点に基づくガイド提示が進行方向知覚に与える影響
    目片悠貴
     車載機器の操作における音声操作とスイッチ操作の比較検討
    神崎大空
     カメラモニタリングシステムでの後方視認時における眼球運動特性
            

    過去の活動情報一覧です。下記の年度をクリックすると詳細が表示されます。

    2011.4~2012.3

    2012.4~2013.3

    2013.4~2014.3

    2014.4~2015.3

    2015.4~2016.3

    2016.4~2017.3

    2017.4~2018.3

    2018.4~2019.3

  • Publications

    論文一覧です。下記の目次をクリックすると詳細が表示されます。

    著書

    研究論文

    国際会議論文

    総説・解説

    学会発表

    招待・依頼講演

    その他

  • Lectures

    講義一覧です。

     

     大学院春学期:ヒューマンファクターズ特論

     3年通年:管理工学実験・演習Ⅰ(SHE実験)

     3年春学期:計量心理学

     3年春学期:プロセス・シミュレーション

     2年秋学期:管理工学概論

     2年秋学期:ヒューマン・ファクターズ

  • Graduate

    2019.3.Graduated Students

     NTTデータ/JR西日本/Panasonic/マーベラス/ワークスアプリケーションズ/JAL/ANA

    2018.3.Graduated Students

     NTTデータ/東レ/アビーム・コンサルティング/楽天/新日鉄住金ソリューションズ

    2017.3.Graduated Students

     JAL/NHK/アクセンチュア/リブ・コンサルティング

    2016.3.Graduated Students

     NTTコムウェア/NTTデータ/CCC(カルチュアコンビニエンスクラブ)/ソフトバンク
     電通/東京都庁/長瀬産業/NP(ネットプロテクションズ)

    2015.3.Graduated Students

     Amazon Japan/NTTデータ/キヤノン/テレビ朝日/電通
     長瀬産業/マツダ/みずほ銀行/ヤフ-/横浜市役所

    2014.3.Graduated Students

     NTTドコモ

    2013.3.Graduated Students

     コクヨ/東海理化電機製作所

    2012.3.Graduated Students

     NTTデータ/岡村製作所/JR東海/ソニーグローバルソリューションズ
     大日本印刷/日立製作所/楽天

  • Contact

    中西研究室へのお問い合わせは(miwa_nakanishi©ae.keio.ac.jp)まで。
    ※アドレスの©部分を@に変えてください。

    Access

    慶應義塾大学 理工学部 矢上キャンパス
    神奈川県横浜市港北区日吉3-14-1

    研究室部屋番号24-620(24-619B,25-117)

    交通アクセス:東急東横線・東急目黒線・横浜市営地下鉄グリーンライン 「日吉」駅下車(徒歩15分)