松川研究室matsukawa Lab.

教授松川 弘明 / Hiroaki Matsukawa

研究の概要

生産在庫管理とサプライチェーンマネジメント(SCM)を中心に、スケジューリングや製造戦略など生産と物流にまつわる各種課題を取り上げ、定量的な手法を用いてマネジメントの原理原則を明らかにしています。また、近年は研究開発、循環型SCMや、サプライチェーンリスクマネジメントに関する研究も行っています。

担当講義科目

オペレーションズ・マネジメント、生産管理、管理工学実験・演習2、開放環境科学課題研究(オープンシステムマネジメント)、開放環境科学特別研究第1(オープンシステムマネジメント)、開放環境科学特別研究第2(オープンシステムマネジメント)、交換協定課題研究A、管理工学輪講、卒業研究、修士論文(オープンシステムマネジメント専修)

研究の特徴

①加工食品工場の工程能力設計に関する研究

近年スマート工場に関する研究が注目を浴びている。Industry 4.0に代表される第4次産業革命ではスマート工場が主役となっており、多くの研究論文が発表されている。しかしながら、その多くは自動化、知能化、IoT( Internet of Thing)、 AI (Artificial Intelligence) に関するものであり、運営における柔軟性、および同期化を考慮した設計に関する研究は見られない。本研究では、スマート工場の設計問題について、特に加工食品の生産工場を対象とし、柔軟性と同期化を考慮した設計について考える。具体的には加工食品の中でもプロセスチーズの製造ラインを対象に、柔軟性と同期化問題の原因、あるいは製造オペレーションマネジメントにおける問題のボトルネックになりやすいチーズの溶解工程と充填工程を取り上げ、機械の能力と台数を変数として分析を行った。機械の能力と台数の組み合わせは複数存在し、どれが一番いいかを決める。ただし、需要の変動に柔軟に対応でき、且つ2つの工程間で同期化を実現することを1つの要件とし、投資コストだけでなく、オペレーションコストも考慮した製造ラインの設計、すなわち溶解工程の設備の台数と設備の能力、および準店工程の設備の台数と設備の能力を決定する。

②需要予測に関する研究

従来の需要予測手法は、時系列分析や回帰分析等の再現性を保証するサイエンスの観点からの手法と、デルファイ法や市場調査など人間の感性や知識に基づいたアートの観点からの手法に分けることができる。しかし、近年この2つの手法を融合しようとする研究が進んでおり、それがいわゆる予測市場による需要予測手法である。予測市場は大統領選挙などの繰り返し性の低い事象において、集合知メカニズムを用いて的確に予測できる特徴があり、商品の需要予測に応用しようとする研究が行われている。本研究では、集合知メカニズムに基づく投票方式の需要予測手法を提案し、実際の企業において31人の参加者により需要予測精度を確認する実験を5か月間にわたり行った。実験で得られたデータを統計的に検定することで、既存の社内ロジックによる手法と提案手法の需要予測誤差には有意差があることが分かり、提案手法の需要予測精度が高いことを示した。

近年の研究テーマ

  • サプライチェーン情報バンクに関する研究
  • スマート工場の設計と運営に関する研究
  • サプライチェーン途絶リスクを考慮した安全在庫に関する研究
  • 物流・商流情報の経済的価値に関する研究

共同研究情報

  • 富士ゼロックス
  • 雪印メグミルク

教育目標・方針

生産物流研究室では生産と物流効率を妨げる各種問題の発見し、解決する方法について研究を行っています。問題を発見するためにはデータを採集し、整理・分析し、プライオリティをつけて体系化します。整理・分析・体系化により中核問題が分かれば、アイデアを工夫し、実験を通じてアイデアを定量的に評価します。当研究室ではこのような問題発見と問題解決の能力を身に着け、製造業や物流業、あるいはこれらの企業と関係のある組織、研究所などで即戦力となる人材を育成することを目標としています。

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