坂東研究室bando Lab.

准教授坂東桂介 / Keisuke Bando

研究の概要

マッチング理論について研究をしています。男性と女性、学生と研究室、企業や労働者といった二つの異なる集団に属する人々の間の組み合わせ方法について、ゲーム理論を使って分析しています。人々の好みを反映した望ましい性質を持つマッチング制度(アルゴリズム)を提案することが目標です。

担当講義科目

管理工学実験・演習6、管理工学輪講、卒業研究、確率、経済システムモデリングなど

研究の特徴

ゲーム理論やミクロ経済学を用いて社会的状況を数学的に分析することに関心があります。具体的には以下のような問題を研究しています。

①マッチング問題

現実には人と人(もしくは組織やモノ)の間でパートナーシップが形成される状況は数多く存在します。このような状況では、第三者が介入してマッチング相手を探している人々から好みを収集し、それに基づき最終的なマッチングを決める場面が数多く存在します(図1)。具体例として、研究室所属、社員の部署所属、研修医マッチング問題などが挙げられます。この時、皆が納得してくれるようなマッチングを見つける効率的なアルゴリズムを設計する必要があります。この問題に対してゲーム理論を用いて分析しています。

  • 図1: マッチングのプロセス

②ネットワークマッチング問題

古典的なマッチング問題では、男性と女性のような二つの集団の間のマッチングを分析します。一方で、現実にはより複雑な構造をした問題が多いです。例えば、買い手と売り手が取引する際に不動産屋のような仲介業者が介入する場合があります。また、複数の大学や企業が提携して研究を行うこともあります。このような状況で、どのようにマッチングを定めれば皆が納得してくれるでしょうか。このような問題についてゲーム理論を用いて分析しています。

③メカニズムデザイン問題

上で述べたように第三者が介入してマッチングを決める状況では、第三者は参加者の好みを収集する必要があります。この時、参加者は本当の好みを第三者に伝えるべきでしょうか? これは必ずしもそうでなく、参加者は嘘の好みを伝えることでより好ましい相手とパートナーになれる場合があります。参加者が嘘の好みをいってしまうと、非効率なマッチングが実現されてしまう可能性があります。このような問題を防ぐため、参加者側の戦略的な意思決定(この場合は好みをどのように伝えるか)を考慮して、マッチングアルゴリズムを設計する必要があります。この問題はメカニズムデザイン問題と呼ばれています。

最近の研究テーマ

  • 多期間マッチング問題
  • 契約付きマッチング問題

教育目標・方針

学生の皆さんにはゲーム理論を基礎として優れた論理的思考能力を身につけてもらいたいです。また、研究では数学だけではなくプログラミングやシミュレーションを用いる場合もあります。これらのスキルは社会に出てからも必ず役に立つものであると思います。

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