篠沢研究室shinozawa Lab.

准教授篠沢 佳久 / Yoshihisa Shinozawa

研究の概要

ニューラルネットワーク(深層学習、Deep Learning)をはじめとする機械学習の技法を用いて、パターン認識、自然言語、データ解析、認知情報処理(人間の視覚、言語、感性情報)についてのテーマを扱っています。とりわけ人の学習機構のモデル化、アルゴリズムを考案することにより、コンピュータ上での工学的な応用を試みています。

担当講義科目

管理工学輪講、卒業研究、管理工学実験・演習3、プログラミング言語、機械学習、管理工学概論、情報学基礎、パターン認識と学習

研究の特徴

①パターン認識

画像認識とは、動画像から文字や顔など特定の物体を検出し、解析するパターン認識技術のことです。本研究室では生物の神経回路網を模倣したニューラルネットワーク(人工的神経回路網)や生物の進化的過程を模倣した進化的計算を用いて、画像認識、画像の属性推定さらには画像の自動生成のためのアルゴリズムの考案を試みています。

②自然言語処理

自然言語処理とは、我々人間が用いている言語(自然言語)をコンピュータによって処理する技術のことです。本研究室では機械学習を用いて、好意的な意図で書かれた文章かどうかを調べる評判分析、文書から重要な箇所(要約文)のみを抽出する自動要約生成さらには文章の自動生成のためのアルゴリズムの考案を試みています。

  • 図1 パターン認識:画像の要約文生成

  • 図2 自然言語処理:ニュース記事の要約文生成

③データ解析

現在、インターネット技術の進歩により膨大なデータが容易に取得できるようになりました。本研究室ではニューラルネットワークや機械学習を用いて大容量のデータの解析の研究を行なっています。データ解析の対象は、SNS(ソーシャルネットワークサービス)の解析、天気予報など多岐に渡ります。

④認知情報処理

認知情報処理とは、人間の視覚、言語、感性をコンピュータ上でモデル化し、再現できるようにする研究分野です。本研究室では、視認性、図地の分離(物体と背景を見分ける)、奥行き認識などの人間の視覚野のモデル化、言語獲得(人がどのように言葉を獲得していくか)のモデル化の研究を行なっています。そしてこれらの研究成果をパターン認識、自然言語処理、データ解析における実際の問題を対象に応用することを試みています。

  • 図3 データ解析:空間補間による気温分布推定

  • 図4 認知情報処理:物体検出モデル

教育目標・方針

機械学習、深層学習は社会のさまざまな問題を解く技術として注目を集めており、誰もがプログラミングにより簡単に扱うことができるようになりつつあります。そのため、こうした技術を表層的に扱うだけでなく、しっかりと理解した上で、新しいアイデア、アルゴリズムの考案、すなわち研究を進めて欲しいと考えています。
また管理工学は、「人」、「もの」、「金」、「情報」を対象とする学問分野です。機械学習は「情報」の度合いが強い分野ではありますが、「情報」以外の分野もしっかりと学んで欲しいと考えています。これは、社会で扱っている諸問題とは、管理工学で扱っている問題であり、機械学習という高い専門性を持っていることに加えて、管理工学の諸問題に対応できる学生は、社会でも活躍できる人材と考えているからです。

PAGETOP